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ベインカットとクロスカットで選ぶ、トラバーチン タイルの決定版|INVICTUS & INVICTUS CROSS 完全解説

  • 3 日前
  • 読了時間: 8分

イタリア建築の主役素材「トラバーチン」。古代ローマのコロッセオから現代のラグジュアリーホテルのロビーまで、数千年にわたって愛されてきたこの石灰岩は、今日でも内外装タイルのデザイン源泉として圧倒的な存在感を放ちます。


トラバーチンタイルを使用したラグジュアリー空間のイメージ|Sant'Agostino INVICTUSシリーズとINVICTUS CROSSシリーズ

Tile Capsuleが取り扱うイタリアの老舗ブランドCeramica Sant'Agostino(サンタゴスティーノ)は、このトラバーチンの美をセラミックタイルで完璧に再現すべく、2つの姉妹コレクションを開発しました。それがINVICTUS(インヴィクタス)INVICTUS CROSS(インヴィクタス クロス)です。


この2シリーズを正しく理解し使いこなすためには、まず石材業界における「ベインカット」と「クロスカット」という切り出し方の根本的な違いを押さえる必要があります。


トラバーチンとは何か|なぜ建築の主役たり続けるのか

トラバーチン(Travertine)は、温泉や地下水中に含まれる炭酸カルシウムが沈殿・堆積してできた石灰岩の一種です。その最大の特徴は、炭酸ガスが抜け出た際に生じた細かい孔(穴)と、独特の縞模様(ベイン)が作り出す有機的な表情にあります。

ローマ時代から建築素材として採掘されてきたトラバーチンは、特に「テバーノ(Tibur)産のトラバーチン」が最高品質とされ、コロッセオやサン・ピエトロ大聖堂の建材としても使われました。ベージュ・アイボリー・ホワイトを基調とした温かみある色調は、どんな空間にも品格と時間の重みをもたらします。


ベインカットとクロスカット──2つの切り出し方と、生まれる表情の違い

トラバーチンの切り出し方の比較図:左がベインカット(縦目取り・縦方向の縞模様)、右がクロスカット(横目取り・雲状の模様)
左:ベインカット、右:クロスカット

天然のトラバーチンには、石を「どの向きに切るか」によって、まったく異なる表情が現れます。


ベインカット(Vein Cut)=縦目取り

ベインカット(縦目取り)のトラバーチンタイル表面|縦方向に流れる連続した縞模様が特徴

石の層(ベイン)に沿って縦方向に切り出す方法です。切断面には縦方向に流れる連続した縞模様が現れ、ダイナミックで流れるような動きのある表情が生まれます。連続した模様が空間に「方向性」を与え、天井高を強調する効果があります。ホテルのロビー壁面や、縦長の空間に特に映える切り方です。

INVICTUSはこのベインカットのトラバーチンにインスパイアされています。

クロスカット(Cross Cut)=横目取り/横断面取り

クロスカット(横目取り)のトラバーチンタイル表面|同心円状・雲のような広がりのある模様が特徴

石の層を横断するように切り出す方法です。切断面には、同心円状または雲のような広がりのある模様が現れ、より均一でフラット、かつ繊細な表情になります。ベインカットに比べてモアレ状の模様が少なく、広い壁面や床への連続施工時に圧迫感が出にくいのが特徴です。

INVICTUS CROSSはこのクロスカットのトラバーチンにインスパイアされています。

INVICTUS(インヴィクタス)|詳細解説

Sant'Agostino INVICTUSコレクション|ベインカットのトラバーチンを再現したセラミックタイル施工イメージ


「Invincible──不屈、あるいは揺るぎない様。それは時代に時代が重なりゆく、"永遠"を具体化したもの」というコンセプトのもと、イタリア建築の主役素材トラバーチンを、Sant'Agostino最高峰のデジタル技術で磁器質タイルに昇華させたコレクションです。


カラーラインナップ

カラーはWHITE(ホワイト)、PEARL(パール)、IVORY(アイボリー)、BEIGE(ベージュ)の4色展開。天然トラバーチンが持つ上品な色調をそのまま再現しています。

INVICTUS WHITE(ホワイト)|ベインカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
WHITE(ホワイト)
INVICTUS PEARL(パール)|ベインカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
PEARL(パール)
INVICTUS IVORY(アイボリー)|ベインカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
IVORY(アイボリー)
INVICTUS BEIGE(ベージュ)|ベインカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
BEIGE(ベージュ)

面状(仕上げ)ラインナップ

INVICTUS NATURAL仕上げ(ナチュラル)|マットな質感で石の素材感を表現
NATURAL(ナチュラル)
INVICTUS KRYSTAL仕上げ(クリスタル)|ポリッシュによる光沢のある鏡面仕上げ
KRYSTAL(クリスタル)
INVICTUS ANTI-SLIP仕上げ(アンチスリップ)|防滑加工を施した屋外・水廻り向け
ANTI-SLIP(アンチスリップ)

面状はKRYSTAL(クリスタル)、NATURAL(ナチュラル)、ANTISLIP(アンチスリップ)の3種を展開。


  • KRYSTAL(クリスタル)仕上げ:高度な研磨技術によるポリッシュ仕上げ。石の明るさと透明度を最大限に引き出し、光を反射して空間を広く見せます。壁・床兼用。

  • NATURAL(ナチュラル)仕上げ:石の素材感をそのまま生かしたマット仕上げ。落ち着きと深みのある表情で、床にも使いやすい。

  • ANTISLIP(アンチスリップ)仕上げ:防滑加工を施した屋外・水廻り向け仕上げ。


Rigato(リガート)仕上げ──上級者向けの壁面アクセント


INVICTUS Rigato(リガート)仕上げ|コーム状の溝が刻まれた立体的な壁専用テクスチャータイル

INVICTUSには、上記の面状に加えてRigato(リガート)という特殊仕上げが存在します。

Rigatoとはイタリア語で「縞模様の、筋の入った」を意味し、コーム(くし)状のテクスチャーを表面に施した独自仕上げです。規則的な溝が刻まれた表面は、光の当たる角度によって表情を変え、壁面に立体感と陰影をもたらします。


使用上の重要注意点:Rigato仕上げは壁専用(Wall Only)アイテムであり、床使用には非対応です 。ラグジュアリーホテルのロビー壁やフィーチャーウォール、マンションエントランスの腰壁上部など、視線が集まるポイントへの採用が設計上の定石です。


INVICTUS CROSS(インヴィクタス クロス)|詳細解説

Sant'Agostino INVICTUS CROSSコレクション|クロスカットのトラバーチンを再現したセラミックタイル施工イメージ


INVICTUSとINVICTUS CROSSは同一のカラーレンジで、縦目(ベインカット)か横目(クロスカット)かを選べる姉妹シリーズとして設計されています。これにより、同一空間内でベインとクロスを組み合わせたダイナミックな構成も可能です。

「INVICTUS CROSSは、トラバーチンの多様性を完成させるもので、縦目と横目の両方の模様で見られます。その美しさは非常に神秘的でエレガントかつ清らかで、自由な構成を可能にします」


カラーラインナップ

INVICTUS CROSS WHITE(ホワイト)|クロスカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
WHITE(ホワイト)
INVICTUS CROSS PEARL(パール)|クロスカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
PEARL(パール)
INVICTUS CROSS IVORY(アイボリー)|クロスカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
IVORY(アイボリー)
INVICTUS CROSS BEIGE(ベージュ)|クロスカット トラバーチンタイルのカラーサンプル
BEIGE(ベージュ)

INVICTUS CROSSのベースカラーはWHITE、PEARL、IVORY、BEIGEの4色と同一ですが、さらにCROSS DECO(クロスデコ)、MIX COLD(ミックスコールド)、MIX WARM(ミックスウォーム)という3タイプのデコレーション系バリアントが加わります。


デコレーション系タイルの詳細

INVICTUS CROSSがINVICTUSと最も大きく異なる点が、このデコレーション系タイルの存在です。

INVICTUS CROSS DECO(クロスデコ)|幾何学パターンを重ねたアクセントタイル
CROSS DECO(クロスデコ)
INVICTUS CROSS MIX COLD(ミックスコールド)|ホワイト・パール系の寒色ミックスモザイクタイル
MIX COLD(ミックスコールド)
INVICTUS CROSS MIX WARM(ミックスウォーム)|アイボリー・ベージュ系の暖色ミックスモザイクタイル
MIX WARM(ミックスウォーム)

① CROSS DECO(クロスデコ) クロスカットのトラバーチン意匠に幾何学的なデコレーションパターンを重ねたアクセントタイル。ベース4色の無地タイルと組み合わせて、床の中心や壁のフィーチャーエリアに使用します。

② MIX COLD(ミックスコールド) ホワイト・パール系の寒色寄りカラーを複数ミックスしたモザイク構成のデコレーションタイル。クールでミニマルな空間演出に適します。

③ MIX WARM(ミックスウォーム) アイボリー・ベージュ系の暖色寄りカラーをミックスしたデコレーションタイル。温かみのある空間に自然に溶け込みながら、アクセントを加えます。


サイズ展開は120×120・60×120・60×60・30×60に加え、Deco 60×60、Mix Cold 60×60、Mix Warm 60×60が揃い、設計上のあらゆる要件に対応します。


INVICTUS vs INVICTUS CROSS|選択フローチャート

設計上の目的

推奨シリーズ

縦のラインを強調し天井高を演出したい

INVICTUS(ベインカット)

広い壁面・床を均一に美しく見せたい

INVICTUS CROSS(クロスカット)

2シリーズをミックスしてダイナミックに

両シリーズ組み合わせ(同一カラーレンジ対応)

壁面にテクスチャーのアクセントを加えたい

INVICTUS Rigato仕上げ(壁専用)

床・壁のフィーチャーポイントに装飾性を

INVICTUS CROSS Deco / Mix Cold / Mix Warm

施工設計上のポイント|プロが押さえるべき3点


① 大判フォーマットの選択

120×120と60×60は、コレクションの幅広いグラフィック・ダイナミズムを最も際立たせるフォーマットです。広いロビーや大型商業施設では120角以上の採用を推奨します。


② 石目方向は積層に従って横流れを基本とする

トラバーチンは水平に堆積してできた石であるため、ベインカットの石目は横方向に流れる向きで施工するのが原則です。石目を90度回転させて縦に流す「盾使い」は、素材本来の積層感・自然な重力感を損ない、トラバーチンの美しさを活かせません。

石目の流れる方向を横で統一した上で、それが空間の中でどう連続するかを割付図で管理することが重要です。意匠上の強い意図がある場合(フィーチャーウォールでの高さ強調など)を除き、縦方向への石目使いは避けてください。


③ KRYSTALとNATURALの使い分け

床はNATURAL(マット)もしくはANTISLIP(アンチスリップ)、壁はKRYSTAL(鏡面)という組み合わせが基本です。同一空間でKRYSTALのみを床壁に使う場合は、光源計画との整合を事前に確認してください。


Sant'Agostinoについて

1964年創業のCeramica Sant'Agostinoは、イタリアの老舗タイルブランドとして、社内専属デザインチームによる独創的なコレクション開発を強みとし、タイルに対する情熱と自社ブランドへの誇りを源泉としています。INVICTUSシリーズはその代表作のひとつであり、本家サイト(ceramicasantagostino.it)でも旗艦コレクションとして紹介されています。

Tile Capsuleは、このSant'Agostinoを含むイタリア・スペインの厳選ブランドの正規取り扱い窓口として、日本国内への提供・サンプル提供・施工提案まで対応しています。



FAQ

Q. トラバーチンタイルは天然石と何が違うの?

A. 天然トラバーチン石は孔・割れ・色ムラの管理が難しく、重量も重いため施工コストが高くなります。磁器質タイルは天然石の意匠を高精細デジタル印刷で再現しながら、均一な品質・軽量・耐水性・メンテナンス性という実用面を両立しています。


Q. ベインカットとクロスカット、どちらが高級に見える?

A. どちらが「高級」かは空間設計の目的によります。ベインカットはダイナミックで格調高い印象、クロスカットはエレガントで洗練された印象を与えます。どちらも最高品質のトラバーチンを再現しており、優劣の差はありません。


Q. INVICTUSとINVICTUS CROSSは同じ空間で使えますか?

A. はい。両シリーズは同一カラーレンジで設計されているため、同一空間内での組み合わせが可能です。例えば床にINVICTUS(ベインカット)、腰壁にINVICTUS CROSS(クロスカット)という組み合わせは、設計上の定石パターンのひとつです。



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