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CROMIA(クロミア)|塗り壁のような7色の磁器質壁タイル——IMOLA CERAMICA

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CROMIA(クロミア)|塗り壁のような7色の磁器質壁タイル——IMOLA CERAMICA

2026.08.31 ・ Tile Capsule

浴室やキッチンの壁を、白いタイル以外で仕上げたい。そう考えて調べ始めると、たいてい同じところで足が止まります。色のある壁タイルは見つかるけれど、水まわりで使っていいのか判断がつかない。

イタリアの IMOLA CERAMICA(イモラセラミカ)の壁タイル「CROMIA(クロミア)」は、彩度を落とした7色を磁器質でそろえたシリーズです。テラコッタ寄りの赤から、セージグリーン、くすんだ青、深いモスグリーンまで。塗り壁のような色の深さを持ちながら、素地は吸水率0.5%以下。水まわりの壁を、色から決められます。

テラコッタ寄りの赤い壁タイル「クロミア アマレーナ」を、アイランド付きキッチンの壁一面に張った空間。オープン棚とレンジフードまわりまで通して張っている。

水まわりの壁を色で決めるという発想——本物の素焼きとの分かれ目

色のある壁タイルを水まわりで使うとき、最初に効いてくるのは素地の吸水性です。ここを整理しておくと選定が早くなります。

素焼きのテラコッタは多孔質で、水やよごれを吸い込みます。風合いが育つ代わりに、シーラーなどの手入れとつきあうことになります。対して磁器質は高温で焼き締められ、ほとんど水を吸いません。水と油がかかる壁では、この差がそのまま日々の掃除のしやすさになります。

アイボリーの壁タイル「クロミア ブッロ」で仕上げた明るい浴室。床はセージグリーンのペペを合わせ、壁に緑の額装プランツを掛けている。

一方で、時間が経つほどに風合いが増していく変化そのものを楽しみたい場所では、本物の素焼きのほうが応えてくれます。分かれ目は素材の格ではなく、水と手入れの条件です。本物のテラコッタとテラコッタ調の違いは、テラコッタタイルとは? で詳しく扱っています。

CROMIA はこの分岐の、磁器質側の選択肢です。適合規格は UNI EN 14411 – G BIa。この区分の要件は吸水率0.5%以下で、日本のJISでいえば I類(吸水率3.0%以下・旧称の磁器質にあたる区分)に相当します。CROMIA はその規格値に対して、さらに低い水準にあります。

吸水率によるタイルの区分図。JISのI類は3.0%以下、II類は10%以下、III類は50%以下。CROMIAとMOTHERが適合するUNI EN 14411 G BIaは0.5%以下で、I類の中でもさらに低い水準にある。

なお CROMIA でテラコッタに近い色はアマレーナ1色です。残る6色はくすんだピンク、マスタード、アイボリー、セージグリーン、くすんだ青、深いモスグリーンと、赤からグリーン・ブルーまで色域が広く取られています。

150年分のアーカイブを持つメーカーが、色を選び直した

CROMIA を理解するには、この色がどこから出てきたのかを知るのが早道です。メーカーが語っているのは、自社の歴史的アーカイブが持つディテールと着想の豊かさを引き出し、緻密な色の探求によって古典と革新の対話を生むということ。結果として生まれたのが、洗練された7色の壁タイルのシリーズです。

つまりこの7色は、流行色を並べたものではありません。過去の蓄積から選び直された色という位置づけになります。そしてその「過去の蓄積」の厚みが、このシリーズの背景です。

ブランドの母体は Cooperativa Ceramica d’Imola S.C.。イタリア北部エミリア=ロマーニャ州、ボローニャ近郊のイモラという街を拠点とする会社で、150年以上タイルをつくり続けてきました。日本のタイル業界ではあまり見ない協同組合という組織形態です。アーカイブから色を引き出すという発想が成立するのは、引き出せる量があるからこそ成立する発想です。

「古典と革新の対話」という CROMIA のコンセプトは、この会社の自己規定と地続きです。カタログは IMOLA というブランドを「fare=つくることに捧げたブランド」と表現し、その拠りどころを歴史との結びつきと更新し続ける願望の均衡に置いています。前を向く言葉(FARE FUTURO/英訳 “BUILDING THE FUTURE is OUR KNOWHOW”)を掲げながら過去のアーカイブを掘り返す、という一見ねじれた動きが、この会社では一貫している形です。

組織としては、品質・環境・労働安全衛生の3領域で UNI EN ISO 9001 / 14001 / 45001 を取得しています。

イタリアのタイルメーカー、イモラセラミカのロゴ。

ベタ塗りの単色にはならない——面のつくり

7色はいずれも彩度を落とした中間色で、面積を大きく取っても色が主張しすぎない方向にそろえられています。ただし単色で塗ったような平坦さにはなりません。理由は面のつくりにあります。

素地は彩色通体(color body)。白素地ではなく、素地自体に色が入っています。小口が見える納まりや欠けが生じたときに、白い断面が出てきません。エッジはレクティファイド、つまり焼成後に端部を削って寸法精度を高めた仕様です。削るのは端部だけで表面はマットのまま、目地を細めに通して面で見せる張り方に向きます。ただし目地なしの突きつけは、寸法誤差や地震時の動きを逃がせないため業界では非推奨です。

表面のつくりは2層です。ひとつはやわらかな凹凸(ストラクチュア)で、光を均一に返す平滑面ではなく、光の当たり方で濃淡が動きます。もうひとつがクラクレ(craquelé=貫入)調の表情で、釉薬に細かなひびを走らせたような線が面に入ります。一色で壁を張っても平坦に見えないのは、この2つが重なっているからです。

アイボリーの壁タイル「クロミア ブッロ」30×60の色見本。手仕事のような細かな凹凸が表面に出ている。

CROMIA 全7色——各色の表情と使い方

色名は色番のような記号ではなく、食べものや自然物から取られています。いずれも彩度を落とした中間色です。

AMARENA

AMARENA

アマレーナ/テラコッタ寄りの赤

MALVA

MALVA

マルヴァ/くすんだピンク

MANGO

MANGO

マンゴー/マスタード寄りの黄

BURRO

BURRO

ブッロ/アイボリー

PEPE

PEPE

ペペ/セージグリーン

MARE

MARE

マーレ/くすんだ青

AVOCADO

AVOCADO

アヴォカド/深いモスグリーン

色ごとの使い分け。 アマレーナは壁一面に通すと空間の主役になり、レンジフードまわりまで含めて色で決められます。アマレーナとマルヴァは同系なので、腰の高さで上下に張り分けると濃淡で水平のラインが生まれます。マンゴーはモザイクで細かく割ると面全体が光の粒のように見え、彩度を落とした緑と合わせると互いを引き立てます。ブッロは表面の凹凸が拾う影だけで面が成立する色で、白タイルを避けたいが色は主張させたくない壁に向きます。ペペは木部やラタンと合わせやすく、浴室を落ち着かせる方向に効きます。マーレは木目調の床と組むと青と木の対比が空間の骨格になり、アヴォカドは細長いヘキサゴンで張ると、目地の線が陰影として際立ちます。

7色とも下表のサイズがそろいます。Q面は600×1200mmのみの設定です。

600×1200 フラット600×1200 Q面300×600
AMARENAAMARENA6 12AMARENA6 Q12AMARENA6 36
MALVAMALVA6 12MALVA6 Q12MALVA6 36
MANGOMANGO6 12MANGO6 Q12MANGO6 36
BURROBURRO6 12BURRO6 Q12BURRO6 36
PEPEPEPE6 12PEPE6 Q12PEPE6 36
MAREMARE6 12MARE6 Q12MARE6 36
AVOCADOAVOCADO6 12AVOCADO6 Q12AVOCADO6 36

モザイクは2種のシートがあります。

300×300 モザイク282×265 ヘキサゴン
AMARENAMK.AMARENA6 30MK.AMARENA6 HX
MALVAMK.MALVA6 30MK.MALVA6 HX
MANGOMK.MANGO6 30MK.MANGO6 HX
BURROMK.BURRO6 30MK.BURRO6 HX
PEPEMK.PEPE6 30MK.PEPE6 HX
MAREMK.MARE6 30MK.MARE6 HX
AVOCADOMK.AVOCADO6 30MK.AVOCADO6 HX

面の表情を選ぶ——フラット面、立体のQ面、花柄のデコール

同じ色のなかで、面のつくりを選べるのがこのシリーズの見せ場です。

フラット面

柄を入れず、色と質感だけで見せる無地の面。ただしつるりとした平滑面ではなく、やわらかな凹凸にクラクレ調の細かなひびが重なった表情が入ります。壁を静かに成立させたいとき、造作や照明を主役にしたいときはこちらです。

くすんだ青の壁タイル「クロミア マーレ」60×120のフラット面。柄を入れず、色と質感だけで見せる無地の面。

Q面(立体レリーフ)

1枚の中に「細かな点の網目」「格子」「細いリブ」「ヘリンボーン(ジグザグ)」の4種のレリーフが帯状に並ぶ立体面です。1種類のリブタイルを繰り返し張るのとは違い、1枚ですでにリズムが完成しています。同じ色のフラット面と混ぜて張れるので、腰壁だけ、あるいはレンジフードまわりだけ立体にする、といった使い分けができます。

Q面が用意されているのは 600×1200mm のみです。300×600mm や2種のモザイクはフラット面のみなので、立体面をどの壁に使うかと割付を、先に決めておくと手戻りがありません。

くすんだ青の壁タイル「クロミア マーレ Q」60×120。1枚の中に点の網目・格子・細いリブ・ヘリンボーンの4種のレリーフが帯状に並ぶ立体面。

花柄のデコール(CROMIA6 DK12)

600×1200mmで2柄の装飾タイル。大輪の花を描いた、いわゆる花柄です。花柄を壁に入れたいとき、選択肢はふつう壁紙になりますが、水まわりでは貼れる場所が限られます。タイルで花柄を張れる、というのがこのデコールの立ち位置です。

大輪の花を描いた装飾タイル「クロミア DK12」を浴室の壁一面に張った空間。手前に独立型の浴槽を置いている。

CROMIA 形状一覧——矩形2サイズ、モザイク2種、デコール

CROMIA の形状は矩形2サイズとモザイク2種、それに花柄のデコール。厚みはすべて6.5mmでそろっています。同じ色で形状を変えられるので、面ごとに割付の細かさを調整できます。

いずれも MARE(くすんだ青)で、形状ごとの表面の見え方です。

600×1200 フラット

600×1200 フラット

矩形・厚6.5mm。目地を減らして面で見せる

600×1200 Q面

600×1200 Q面

矩形・厚6.5mm。4種のレリーフが帯状に並ぶ立体面

300×600

300×600

矩形・厚6.5mm。割付を細かく取りたい面へ

300×300 モザイク

300×300 モザイク

細長い短冊状のシート・厚6.5mm

282×265 ヘキサゴン

282×265 ヘキサゴン

細長い六角のシート・厚6.5mm

600×1200 デコール

600×1200 デコール

大輪の花柄・2柄(CROMIA6 DK12)

形状寸法(mm)面のバリエーション向く使い方
矩形(大)600×1200フラット/Q面/デコール2柄目地を減らして壁を面で見せる
矩形(小)300×600フラット割付を細かく取りたい面
短冊モザイク300×300(シート)フラットキッチンの背面など面積の小さい面
ヘキサゴンモザイク282×265(シート)フラット面の分割を見せる

Q面とデコールは前述のとおり600×1200mmのみの設定です。

全形状6.5mmという薄さは、サッシや建具、設備の芯位置が動かせない改修で効いてきます。ただし既存の仕上げの上に張る納まりが成立するかは下地の状態と接着剤の仕様によって変わるため、施工方法は個別にご相談ください。

CROMIA でつくる空間——キッチン、洗面、浴室

キッチンでは、背面をモザイクで細かく割る使い方が効きます。7色のなかで最も光を返すマンゴーを細かい目地で張ると、面全体がテクスチャとして見えてきます。

マスタード色のモザイクタイル「クロミア マンゴー」をキッチンの背面に張り、セージグリーンのキャビネットと円卓を合わせた空間。

洗面まわりでは、同系色を上下で張り分ける手が使えます。アマレーナとマルヴァのように濃淡のある2色を腰の高さで切り替えると、壁に水平のラインが生まれます。

ピンク系の壁タイル「クロミア アマレーナ」とマルヴァを上下で張り分けた洗面まわり。丸鏡と白いベッセル洗面器を合わせている。

浴室では、壁を1色で通して面として見せる方向が向きます。グリーンは灰味を帯びた淡いペペと、暗く沈む深いアヴォカドの2色。ペペは木部や石の床と競合せず、壁を静かに成立させます。

セージグリーンの壁タイル「クロミア ペペ」で仕上げた浴室。ガラス張りのシャワーブースと木を削り出した浴槽を並べている。

床に木目を持ってくる場合は、同じ IMOLA CERAMICA の木目調タイル「MOTHER(マザー)」が組み先です。カタログでも壁のCROMIAと床のMOTHERを組んだ提案が載っており、色のある壁と木目の床という組み合わせは、メーカー側が想定している使い方です。

くすんだ青の壁タイル「クロミア マーレ」を張った洗面と浴室。床は同じイモラの木目調タイル「マザー ミラ」で合わせている。

濃い色をヘキサゴンのモザイクで張ると、面の分割が陰影として際立ちます。六角形タイルの張り方や割付の考え方は、ボウクス タイルマーケットのヘキサゴンタイル特集もあわせてご覧ください。

緑の細長いヘキサゴンモザイク「クロミア アヴォカド」を張った浴室。床は同じイモラの木目調タイル「マザー クオイオ」で合わせている。

よくあるご質問

Q. 浴室の壁に使えますか?

UNI EN 14411 – G BIa(吸水率0.5%以下)に適合する磁器質で、メーカーも浴室の壁のシーンで提案しているシリーズです。採用にあたっては、下地・防水の仕様と施工方法をあわせてご確認ください。

Q. 床にも使えますか?

CROMIA はメーカーのカタログで壁タイルのプロジェクトとして位置づけられているシリーズです。床は床用のシリーズを合わせる考え方になります。同じメーカーなら木目調タイルの「MOTHER(マザー)」が選択肢です。床への検討がある場合は、滑り抵抗の値をメーカーに確認したうえでご案内しますので、用途と下地条件を含めてご相談ください。

Q. 本物のテラコッタと並べたら違いは分かりますか?

素焼き特有の吸水による色の沈み方や、経年で育つ風合いは磁器質では再現されません。一方で表面には焼きものらしい細かな起伏があり、均一な工業製品には見えない面になっています。「風合いを育てたいか、手入れを軽くしたいか」で分かれる選択です。

Q. 狭い壁でも使えますか?

300×600、300×300モザイクシート、282×265モザイクシートがあるので、面積の小さい壁でも割付が組めます。仕上げ厚を薄く抑えたい壁にも向きます。

Q. フラット面とQ面は混ぜて張れますか?

同じ色でフラット面とQ面が用意されているため、混ぜて張れます。壁の一部だけ立体にする、腰から上をフラットにするといった張り分けが、色を変えずに成立します。ただし Q面があるのは600×1200mmのみです。300×600mmやモザイクと組む場合は、立体面を600×1200mmで取れる面かどうかを先に確認してください。

Q. 色は実物で確認できますか?

7色はいずれも彩度を落とした中間色で、画面の色再現に差が出やすい色域です。とくに PEPE(セージグリーン)と MARE(くすんだ青)は、照明で見え方が変わります。ご検討中の色とサイズをお知らせいただければ、ご用意の可否を含めてご案内します。

サンプル請求・お問い合わせ

色の見え方は、面の凹凸と照明で決まります。7色から絞る段階に入ったら、実際の空間の光でサンプルを見比べるのが確実です。

CROMIA のサンプル請求・ご相談 — ご検討中の色とサイズをお知らせいただければ、ご用意の可否を含めてご案内します。

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