プールタイルとは、屋外や水中という過酷な環境でも性能が落ちない、吸水率0.5%以下の磁器質タイルです。通常の室内用タイルとは求められる性能が異なり、選び方を誤ると凍害やひび割れの原因になります。
この記事では、プールタイルに必要な3つの条件と、Tile Capsuleが取り扱う対応シリーズを紹介します。

1. プールタイルとは?屋外・水中で使える3つの条件
プールタイルに求められる条件は、大きく3つに整理できます。
- 吸水率0.5%以下:タイル内部に水を含みにくく、凍結による膨張破損(凍害)を防ぎます
- 耐薬品性・耐塩素性:プール水の消毒に使われる塩素や、pH調整剤に長期間さらされても劣化しにくいこと
- 防滑性(すべり抵抗):濡れた状態でも歩行時に滑りにくい表面仕上げであること
一般的な磁器質タイルの吸水率は3.0%以下とされていますが、プール用途ではさらに厳しい0.5%以下が目安です。数値が小さいほど、タイル内部への水の侵入が少ないタイルということになります。
すべり抵抗の指標には複数の規格があります。欧州のDIN51130は靴を履いた状態を想定したR等級(R9〜R13)で、屋外プールサイドやプール床にはR11以上が目安とされることが多い規格です。ただし、プールサイドや水中階段など素足で歩く部位については、素足歩行を想定したDIN51097(A・B・Cの3等級、Cが最も高い防滑性)で評価するのが本来の考え方です。
国内では別の指標としてC.S.R値(Coefficient of Slip Resistance)も使われますが、いずれも測定方法が異なる別軸の数値です。輸入タイルを検討する際は、どの規格・等級に基づく数値かをメーカー資料で確認してください。
2. 室内用タイルとの違い-なぜ屋内壁タイルをそのまま使えないのか
室内の壁や玄関で使われる磁器質タイルの多くは、吸水率が低くても「プール対応」を明記していません。理由は、屋内壁タイルの多くが継続的な水没や紫外線、凍結を想定した試験を受けていないためです。
たとえば地中海カラーで人気のNATUCER「Mare Nostrum」は、光沢仕上げの磁器質タイルでバスルームやキッチンにも使われますが、公式資料に凍害試験や塩素耐性の記載はありません。屋内壁向けの製品を屋外プールサイドに転用する場合は、耐凍害性をメーカーに確認したうえで判断する必要があります。
つまり「磁器質だから使える」ではなく、メーカーが「プール」「屋内外(Indoor-Outdoor)」対応と明記しているかどうかが、実務上の判断基準になります。
3. Tile Capsule取扱シリーズ:プール・ウォーターフィーチャー対応2選
Tile Capsuleでは、公式資料でプール・屋内外対応が確認できるシリーズを取り扱っています。
| シリーズ | 特徴 | サイズ | 吸水率 | 用途 |
|---|---|---|---|---|
| Nanda Tiles「Amantina」 | 幾何学と渦模様が重なるモザイク。各色5種のデコールをランダムにミックス | 100×100mm | 0.5%以下 | 屋内壁・屋外壁・プール |
| Nanda Tiles「Terra」 | テラコッタ調のアンティーク加工、マット仕上げ | 115×115mm | 0.5%以下 | 屋内外の壁・床・プール |
Nanda Tiles「Terra」は公式サイトで吸水率0.5%以下に加え、耐薬品性区分GHA、耐汚染性クラス5が公開されています(出典:nandatiles.es、2026年8月確認)。Nanda Tiles「Amantina」も同様に吸水率0.5%以下で、屋内外・プールの3用途に対応する製品として案内されています。
4. プールサイドと水中、それぞれに向くタイル
プールタイルを選ぶときは、「水に浸かる部分(プール床・壁)」と「水に浸からない部分(プールサイド・デッキ)」を分けて考えると判断しやすくなります。
水中部分は、吸水率0.5%以下が明記された製品が前提になります。Nanda Tiles「Amantina」「Terra」のように、メーカーがプール仕様として公開しているシリーズが選択肢になります。水盤やウォーターフィーチャーなど常時通水する部位も同様の考え方です。この部位の詳しい仕様の見方は、水盤・ウォーターフィーチャー用タイルの選び方の記事でまとめています。


プールサイドは水没しないため、意匠の自由度が広がります。地中海カラーのNATUCER「Mare Nostrum」のようなグロス釉薬タイルも、防滑性と耐候性を確認したうえで候補になり得ます。プールサイドに向く意匠や防滑性の考え方は、プールサイドタイルの選び方の記事で解説しています。
どちらの部位に張るタイルかによって、確認すべき仕様の優先順位が変わることを押さえておくと、選定がスムーズになります。

5. 施工上の注意点:目地材と下地防水
プールタイルは製品選定だけでなく、施工時の部材選びも仕上がりを左右します。
5-1. 目地材
塩素やpH変動にさらされ続けるため、耐薬品性のあるエポキシ系目地材が向いています。一般的なセメント系目地材は、長期間の水没で劣化が進みやすい傾向があります。
5-2. 下地防水
タイルを張る前の躯体側で確保しておく工程です。プール躯体の防水層が不十分だと、タイル自体が高性能でも漏水につながります。
5-3. 接着剤
専用の接着剤を選ぶことが前提です。吸水率0.5%以下のタイルは吸水による接着剤への食いつきが弱いため、一般的な内装用の接着剤では剥落のリスクがあります。プールタイルの施工実績がある業者に、下地条件を含めて相談することをおすすめします。
よくある質問
プールタイルの吸水率はどれくらいが目安ですか?
0.5%以下が目安です。一般的な磁器質タイルの基準(3.0%以下)よりも厳しい数値で、凍害や剥落のリスクを抑えます。
室内用タイルをプールに転用できますか?
磁器質であっても、メーカーがプール対応・屋内外対応を明記していない製品は推奨できません。凍害試験や塩素耐性の試験を受けていない場合があるためです。
プールタイルに向く防滑性能の見方を教えてください
靴を履く部分は欧州のDIN51130によるR等級で示され、屋外プールではR11以上が目安です。素足で歩くプールサイドや階段部分は、素足歩行用のDIN51097(A・B・C等級)で評価するのが本来の考え方です。国内のC.S.R値ともそれぞれ測定方法が異なるため、輸入タイルの場合はどの規格に基づく数値かを確認してください。
Tile Capsuleでプールタイルのサンプルは注文できますか?
Nanda Tiles「Amantina」「Terra」を含め、サンプル請求から現物をご確認いただけます。
屋外プールと室内プールでタイル選びは変わりますか?
屋外は凍害・紫外線・気温差への耐性、室内は結露や湿度の影響が中心になります。いずれも吸水率0.5%以下と防滑性は共通の前提です。
目地材は何を選べばいいですか?
塩素やpH変動に強いエポキシ系目地材が向いています。一般的なセメント系目地材は長期間の水没で劣化が進みやすい傾向があります。
まとめ
プールタイルは、吸水率0.5%以下・耐薬品性・防滑性の3条件を満たす磁器質タイルです。室内用タイルとの違いは「プール対応」がメーカー資料で明記されているかどうかにあります。
Tile Capsuleでは、Nanda Tiles「Amantina」「Terra」など仕様が確認できるシリーズを取り扱っています。仕様の詳細や現物の質感は、サンプル請求でご確認いただけます。